アトピー性皮膚炎にも、ちょっとしたすり傷、かき傷、しもやけ、やけど、そして湿疹や乾燥肌にも効果のある大活躍の救世主、それがヒルドイドです。

皮膚科に行くたびに私がいっつもお世話になっていた皮膚のお薬です。
※ピンクの可愛いやつです。

子育て中のほとんどのママは、一度はあのピンクのかわいいチューブを見たことがあるのではないでしょうか?

病院では「小さいお子さんにも安心して使えますよ」と渡されることが多い製品で、ピンクのチューブタイプは「ヒルドイドクリーム」で、白い本体にピンクの蓋のタイプは「ヒルドイド ローション」しっとり化粧水タイプのものになります。

皮膚がカサカサしてるお子様に、お風呂あがりにせっせと塗っているお母さんも多いと思います。

ヒルドイド ローション

小さい子供から大人まで、用途は様々なようですが、幅広い年齢層で愛され使用されています。
それだけ素晴らしい製品という事なんですね。

あまりにも、身近にありすぎて気づかない方も多い、この万能薬とも呼ばれるヒルドイドですが

こんなふうに思ったことはありませんか?

  • このクリームは何からできているんだろう?
  • 本当は何が一番効果があるのだろう?
  • なぜこんなに沢山の人に好かれているんだろう?
  • 効果はあるだろうけど、薬だからやっぱり副作用とかあるのかな?
  • ヒルドイドを知らない方にとっては

    どこで購入出来るの?市販されているの?
    美容の効果があるから美容目的で使ってる人もいるって本当?

    というような小さなギモンにお答えします!

    ヒルドイドってなに?

    マルホ株式会社の登録商標なので、本当はRを付けなくちゃいけないんですけど、割愛させてくださいませ。
    ヒルドイドはクリームタイプ、ソフト軟膏タイプ、ローションタイプのいずれも外用の皮膚薬で、内容量は25gです。

    そして、有効成分として配合されている「ヘパリン類似物質」の割合は1gあたり3.0mgとすべて同じです。

    この3タイプの違いは、肌に塗った時の感触ぐらいです。有効成分の含有量はおなじですが、やはりローションタイプよりもクリームや軟膏の方が肌に蓋をするイメージがあるので、しっとりする感じはします。

    でも、クリームや軟膏の「ベタベタ」とした感じが嫌という人もいますよね。なので、そこは本人の好み等で分けて使用すればいいと思います。

    ヒルドイドは医療用医薬品です

    医療用医薬品なので、残念ながら普通のドラッグストアなどでは市販されていません。
    そういった面では、いつでも手軽に購入できるお薬では無いですよね。

    病院で診察と説明の後、処方箋を出してもらって、はじめて調剤薬局でのみ購入が可能でものです。
    度診察を受けて処方してもらうため、最初だけがちょっと面倒かと思いますが、やはり、安心して、何より効果的に使うためには、最初にきちんと聞いておいたほうが良いと思います。

    製造メーカーはマルホ株行会社さまです

    マルホ株式会社は1915年、大阪で喘息の治療薬からスタートした製薬会社です。

    ヒルドイドは1954年に販売が開始。最初は凝血阻止血行促進剤として販売されていました。
    その後、1990年に皮脂欠乏症に対しての効能があると追加承認を受けたので、現在は血行促進・皮膚保湿剤として販売されています。シモヤケにも効果があるというのは、この「凝固阻止血行促進剤」であるためなんですね。

    恐らく、長年皆に愛され、使われ続けていくうちに皮脂欠症と言われる乾燥にも効果が見られたんでしょう。凄いですよね♪

    ※もちろん、マルホ株式会社様では、その他色んな種類の皮膚科用の薬を作っています。
    医薬品だけでなく、スキンケア製品も製造・販売しています。喘息さんなら必ずお世話になるホクナリンテープも、マルホ株式会社なんです。

    ヒルドイド3タイプそれぞれの特徴

    ヒルドイドは、クリームと、ソフト軟膏と、ローションの3種類があることを前述してますが、成分表を見ると、主成分のヘパリン類似物質とグリセリン、白色ワセリンの三つが共通していて、お薬としての働きに大差がないことが分かります。本当にこの3つに違いはないのでしょうか?

    ヒルドイドクリーム

    金属のチューブタイプで、20g入りと160g入りの2種類があります。乳白色のクリームで匂いはありません。肌に乗せたときの伸びもいいです。
    でも、実は、クリームタイプは、皮膚科の現場でもあまり使用されていません。

    クリームタイプは、ごくまれに赤み・かぶれ・かゆみなどの副作用が多いという情報を目した事がありますがこれは定かではありません。

    ヒルドイド軟膏

    一般的にはこのソフト軟膏タイプが最もメジャーなのではないでしょうか?プラスチックのソフトチューブタイプで、内容量は25gです。やさしいピンク色が目印の商品です。
    白く、柔らかなクリームに近い軟膏で、匂いはありません。軟膏ですから、狙った場所にピンポイントで使えます。ローションに比べると多少の被膜感があり、乾燥が強いときなどはこちらがおすすめです。 

    ヒルドイドローション

    ピンクのキャップのプラスチックボトルタイプで、25g入りと50g入りの2種類があります。

    手に出してみると白いとろりとした乳液のような感じ。皮膚に乗せるとさらっとしていてべたつかず、皮膚への吸収が早いので、ストレスなく使えます。気になる匂いはありません。ローションタイプですから、広範囲に塗り広げるのがとても楽です。そして被膜感がないので、夏場、暑苦しいときなどはこちらが便利です。

    ヒルドイドのジェネリック ビーソフテンクリームとの違い

    ヘパリン類似物質を配合したお薬も、いろいろ販売されています。一番近いのが持田製薬の「ビーソフテンクリーム」
    ビーソフテンクリームは、ヒルドイドソフト軟膏のジェネリックなんです。ご存知かと思いますが、新薬の特許期間が切れてから、別の会社で作られたお薬をジェネリック医薬品といいます。

    ビーソフテンクリームも主成分のヘパリン類似物質を0.3%配合しています。外装はやわらかなソフトプラスチックチューブで、水色のキャップです。

    手に出してみるとヒルドイドソフト軟膏とほぼ同じ、白いやわらかなクリームタイプ。匂いもありません。ただ、ほんの少し伸びがいいかな?と思うくらいで、軟膏とほとんど変わりがないというのが、私が使ってみた正直な実感です。

    大きな違いは、価格。ビーソフテンはジェネリックですから、なんとヒルドイドの半額!なので、もし、医療費を抑えたい・・・と思っているときは、勇気を出して「ビーソフテン希望」と言ってみましょう。

    ただし、ビーソフテンも医療用医薬品ですから、一般のドラッグストアでは購入できません。
    医療機関で医師の診察を受けた上で処方箋を書いてもらって、調剤薬局で購入しましょう。

    ヒルドイドの効果について

    ヒルドイドは乾燥対策に非常に効果がありますさて、ここから、長い間たくさんの人に愛され、利用されてきたヒミツをさぐっていきましょう。

    ヒルドイドの効果の1つ、肌の乾燥をストップ、うるおいをキープ

    処方するのはほとんどが皮膚科の先生です。肌に何らかのトラブルがあるときのお薬として使われています。代表的な症状をいくつか紹介します。

    乾燥肌、ドライスキン(皮脂欠乏症)に

      「乾燥肌」や「カサカサ肌」、「ドライスキン」に大活躍!

    ライスキンの肌は、表面のアブラ(皮脂)が少なくなることで、皮膚を覆っている天然バリアが薄くなります。その為、中の水分がどんどん蒸発していきます。
    この蒸発が続くと皮膚が完全な水分不足(乾燥状態)になるのですね。

    放っておくと、水分はどんどん蒸発してしまいます。この場合は肌に蓋をして、水分の蒸発を防ぐことが大切です。

    何もしないでいると、肌の乾燥が続き、カサカサ・ガサガサしてかゆくなり、我慢できずに掻いてしまうと皮膚を傷つけてしまうこともあります。
    特に、皮膚の層が薄い乳幼児や、年齢とともに皮膚の脂っ気が少なくなってくる高齢者に多いようです。

    よく、手を見ると大体の年齢がわかるって言われるのは、こういうところからなんでしょうね。

    また、アトピー性皮膚炎の子供などは、普段から他の人に比べ肌に水分が足りない、乾燥しやすい状態になっているので、肌が乾燥し痒みが出てしまうのです。
    特に、日焼けなどで肌にダメージがあると、より一層乾燥し、痒みが出てしまいます。※飲む日焼け止めでガードしてね。

    このようなドライスキンや敏感肌には、日焼け止めそのものが優しい成分でできているものを選びたいですね。
    ラロッシュポゼのように、幼児にも使える成分にも関わらず、高いUVカットで石鹸でも洗い流せるものだと安心して使えますね。

    こんな水分不足の乾燥肌に効果を発揮!皮膚表面のバリア機能と、中の水分保湿機能を補強し、皮膚が自分で自分を守る力を取り戻すのを手伝ってくれるのです。
    保護するだけでなく、自己回復力をつけるなんて凄いですよね。

    でも、やっぱり薬に頼りたくない方は、一般的な保湿クリームや、よくあるオールインワンゲルで保湿対策してもいいかもですね。
    私は、ビタミンC誘導体×保湿成分が豊富なオールインワンゲルと併用して保湿ケアしてます♪

    しつこい手荒れ(進行性指掌角皮症)に

    なかなか治らないしつこい手荒れ。水仕事の多い主婦や、指先をよく使う美容師さん、それに手洗いを頻繁にする食品関連の仕事をしている方などによく見られます。
    毎日の仕事だけに、手あれは職業病だという人もいます。

    冬場などによく見られる主婦湿疹もこの病気のひとつ。

    水仕事が多いと、本来必要な手指の皮脂まで洗い流されてしまいます。

    また指先をよく使うことで、指先の皮膚に過大なストレスを与えてしまうのです。

    こういった症状は利き手の親指と人差し指、中指の三本に現れます。指の皮膚が硬くなるだけでなく、指紋がなくなったりすることも。

    旧知の美容師さんは、長年のシャンプー業務のために両手の五本の指の指紋がすっかりなくなってしまい、ハサミを持つ手が滑って困ると話してくれたことがありました。

    せっかく薬を塗ってもまた水仕事をして落ちてしまっては台無しですから、塗ったときには薄手のゴム手袋を忘れずに。夜は塗ってから木綿の手袋をして眠るようにすると、肌本来の機能回復が早まります。

    手のモデルをやっている方は、水仕事の時のゴム手袋はもちろん、この「寝る前の保湿クリームと手袋」も必ずと言っていいほどやっています。次の朝の手が違うみたいです。 また、冬に悩まされるしもやけにも効果的です。

    アトピー性皮膚炎にはご注意

    ヒルドイドがアトピー性皮膚炎に効く!って、よく聞きますよね。我が家の次男も軽いアトピー性皮膚炎なので、ずうっとヒルドイドのお世話になっていました。

    お風呂あがりに体に塗るとすごく効果的です。手のひらでマッサージをかねて優しく伸ばしてください。
    冬はソフト軟膏タイプ、夏はローションタイプを処方してもらい、症状がひどいときには、アルメタ軟膏というステロイド入りの軟膏をプラスします。
    ちなみに、いわゆるアトピー肌には、本来、皮膚に備わっている天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor略してNMF)が少ない事が原因だそうです。

    天然保湿因子というのは、皮膚の中の角質細胞の中にあって、水分を抱え込んで保持する役割を果たしています。

    この天然保湿因子の働きによって、皮膚全体がうるおいを保ち、なめらかで健康的な皮膚を維持できているわけなのです。
    そのため、天然保湿因子が少ないと、皮膚のバリア機能が弱くなり、アトピー性皮膚炎など様々な皮膚トラブルに。こんなとき、ヒルドイドが役に立つんですよね。

    でも、正確に言うと、実は、ヒルドイドの効能・効果にアトピー性皮膚炎は入っていません。
    なぜなら、アトピー性皮膚炎というのは、原因も症状も様々な皮膚炎のことを総称しているからです。

    当然、治療のあり方も様々。患者さんによってはヒルドイドが肌に合わないと感じることもあるようです。
    これは実際に使ってみないと分からないところ。アトピー性皮膚炎の治療は、信頼できる医師のもと、よく経過を見ながら慎重に行いましょう。

    保湿効果の凄さ

    医薬品であるヒルドイドの驚くべき保湿効果を使ったこんな裏ワザがあります。
    本来の使い方ではありませんが、顔のほうれい線に塗り込む事で、シワの筋が綺麗に消えちゃうとか・・

    理屈上は、水分保湿機能が加わることで、肌にはりがでるからなのですね。
    ヒアルロン酸(水を大量に含ませる事が出来る成分)入りのスキンケア用品と併用するとダブルの保湿作用が出るようです。

    これも理論上は、ヘパリン類似物質は、水と結合する性質があるため、ほうれい線や目尻のシワに塗ると、表皮や皮膚内にある水分と結合し驚愕の保湿効果がでてくるためです。
    ※ちなみに、「ヒルドイド」は動物の肝臓から抽出された成分で作られています。
    ※また、動物の胎盤から抽出されたプラセンタエキスも保湿効果があるとされていますので併せて使うのもよいでしょう。

    ※肌が強い方はお試しの価値があるかもですね。但し、副作用にはご注意ください。
    「赤ちゃんにも使える」ということで、「=副作用ゼロ」と捉える方も多いかと思いますが、医薬品である以上「副作用ゼロ」ということはありえません。
    ただ、「今まで目立った報告がない」というだけで、今後全く無いとは言い切れないのです。

    極端な言い方をすれば、赤ちゃんでも使えるけど、肌の極めて弱い大人で痒みや多少の赤みなどが出るという場合もあるかもしれません。
    安全性の高いものとはいえ、使用の際はお医者さんにきちんと聞いてからのほうが安心ですね。
    効果もそのほうが高いものを得られますしね。

    性質を利用する

    前に述べた性質を使うと、水分をたっぷり含んだ肌状態に使うと、水分をたっぷり含んだ肌がグッと押し上げられるので、シワやほうれい線がきえたようスッキリとした顔立ちになります。
    イメージは水分の無くなったスポンジに水を含ませるように、肌に水分がたっぷり含まれると、みずみずしい「ふっくらした肌」の状態になるのです!

    ヒルドイドの血流改善効果とは

    血行を良くして、痛みをシャットアウト。

    手足の痺れるような痛み(血行障害による疼痛(とうつう))
    手の指先や足の指先など、体の末梢の部分で起こりやすい辛い痛みに、ヒルドイドが効きます!

    仕事で長時間ずっと同じ体勢でいる方、冬になると億劫がって体を動かさない方、また体を動かしづらいお年寄りなどに多く見られる症状です。

    血行障害というのは、体の中の血の巡りが悪くなる「血行不良」と同じこと。
    血行不良になると、体にとって必要な酸素と栄養素が各所に運ばれなくなるだけではありません。

    本来なら血液の流れに乗って回収されるはずの老廃物が回収されないまま残ってしまいます。
    このことによって起こる筋肉の痛みや疲労感のことを「血行障害による疼痛」と呼びます。
    言葉で表すと、ビリビリ、チクチク、ジンジン・・・というような、痺れるような痛み。

    サラサラ血液

    このときもヒルドイドの登場です!ヒルドイドは、血行改善と保湿機能改善の二つの働きで、辛い痛みを少しずつやわらげてくれます。

    日に2~3度、ヒルドイドを患部に塗りましょう。
    ただ塗るのではなく、痛みの発生源まで届けるような気持ちで患部にやさしく擦りこんであげるといいでしょう。

    でも、ヒルドイドに頼るだけではなく、普段から自分で血のめぐりに気を付けていくことも大切ですよね。ストレッチなどして一日に一度でも体を動かすようにする。指先をグーチョキパーと動かして、末端まで血液を流してあげる。簡単なことでもいいので、少しずつ続けてみましょう。

    注射の後の青あざや鈍い痛み(炎症性疾患)にもヒルドイド

    注射を受けた後に急に起こる炎症性の疾患にもヒルドイドが効きます!

    こんな経験ありませんか?
    腕にインフルエンザの予防注射をしてもらったら、2~3日もの間、腕に鈍い痛みが残った。
    病院で点滴を受けた後、針を刺した部分が青あざになった。触ってみると、硬くて、痛い。

    これは、注射によって内出血を起こしているせいなんです。注射のときに血管から漏れた血液が皮膚の下にたまってしまって、青く見えているのですね。また、それによって他の神経を圧迫するので痛みを感じるのです。

    こんなときは患部にヒルドイドをやさしく塗ってあげましょう。肌に乗せるのではなく、痛くない程度にやさしく擦りこんであげることが大切です。

    ヒルドイドによって血行が促進され、内出血の吸収を早めることができます。軽い青あざであれば数日で、大きいものでもおよそ2~3週間以内には吸収されてすっかりなくなります。本来であれば、注射した部分を3分間ぐらいしっかり指で押さえて安静にしていることが一番なんですよね。でも、強く揉んではいけません。

    また、注射された腕を使って激しい運動をしたり、重いものを持ったりすることは半日ぐらい避けた方がいいでしょう。?

    ヒルドイドに副作用はあるのでしょうか

    何にでも効いて重宝する「ヒルドイド」ですが、これは一般のドラッグストアでは買えない立派な医療用医薬品。効き目がある分、副作用がないか?も心配ですよね。

    実は、メーカーの発表ではクリームの使用者0.93%に副作用が見られました。

    でも、ほとんどは痒みや赤み、発疹という比較的軽度なものでした。
    なお、軟膏とローションでは、今のところ、副作用があったという報告はないそうです。我が家でもこの2つを10年間使って、今のところ副作用はありません。

    生まれたての赤ちゃんから使えます
    我が家の長女は、赤ちゃんの頃から脂漏性湿疹がひどく、皮膚科に通っていました。初めて皮膚科に行ったのは生後2か月のとき。
    顔も体も頭も、ぶつぶつだらけの長女を見て、皮膚科の先生は「あっ、脂漏性湿疹ですね。赤ちゃんの頃はよくあります。

    毎日お風呂に入れて汗を落として、石けんはよく泡立ててそうっとなでるように洗ってください、こすらずにね。そしてヒルドイドソフト軟膏を1日2~3回塗って下さい。
    大丈夫、すぐに良くなりますよ」。3週間分とし軟膏を6本も処方されたのを克明に覚えています。

    6本って多すぎるんじゃないかしら?と不安になりましたが、その6本を使い切る頃には、脂漏性湿疹はすっかり静まり、ふっくらとしたやわらかな赤ちゃんの肌になったんですよ。

    お年寄りも使えます年を取ると、皮膚が敏感になりやすいようです。我が家の母は、65歳のころに蕁麻疹のように急にぶつぶつが出たことがありました。衣服で擦れると、とっても痛がってかわいそうでしたので皮膚科に行ってみると、すぐに「帯状疱疹」と診断。飲み薬と軟膏を処方されました。

    帯状疱疹は心身性とも、ウイルス性とも言われ、専門医による早めの治療が鉄則なのですよね。
    最初は塗ることさえ辛くて嫌がりました。でも、しばらくの療養ののち、すっかり元通りになったときには家族みんながほっとしたものです。

    妊産婦さんは、ちょっぴりご注意

    妊娠中の女性、出産直後の授乳中の女性については、どうなんでしょう。ヒルドイドの注意書には、「妊娠中の投与に関する安全性は確立していません」とあります。
    だいたいは、通常の用法・用量を守れば大丈夫なのかなと思います。

    でも、どうしても心配という方は、かかりつけの産婦人科の先生に相談するといいでしょう。
    妊娠中は通常時に比べると皮膚が過敏になることもありますから、お大事にしてくださいね。

    また、少し話がずれますが、妊婦さんはこのお話とは別に「葉酸」という栄養素を取らないといけないみたいです。(厚生労働省推奨です)
    葉酸って初めてきく言葉かもしれませんが、こちらの葉酸サプリメントのサイトに詳しく紹介されてる栄養素で葉酸が欠乏すると赤ちゃんの先天性異常に大きく関わるそうです。

    ヒルドイド塗り方のポイント

    塗るタイミングは、何と言ってもお風呂上りが一番。肌にまだ水分が残っている頃(お風呂から上がって5分以内)が効果的です。
    即効性のあるお薬ではないので、根気強く継続しましょうね。

    使用量の目安は、軟膏は人差し指の先から第一関節までの長さ分、ローションは1円玉大を目安にしてください。

    これで約0.5g、大人の両手の面積に塗り広げるのにちょうどいい量です。子どもの背中一面に塗るのなら、この量の約2~3倍必要になります。けっこう多いな!とびっくりされるでしょう。

    でも、ヒルドイドは必要な量をきちんと塗らないと効果が発揮されません。ちょっと多いかな?というくらい塗るのがポイントです。ワセリンのようにべたついたりしないので、大目に塗っても大丈夫ですよ。

    つらい足のしもやけ(軽い凍傷)にも、ヒルドイド!

    しもやけってとは、軽度の凍傷のことです。寒さで手足の末梢の血行が悪い状態が続くと、発生します。
    重度の凍傷の場合は、末端が壊死し、手足の切断など、外科手術が必要になることも。

    症状は、手足の指が赤くふくらんで、とにかくかゆくて、かゆくて、たまらない。悪化すると赤紫色になって痛痒さが倍増します。結局、温かくなる春先までこの辛さが続くことも。

    しもやけなんて、昔、日本が貧しかったころ、暖房器具もなかった時代に、小さな子どもがなったものと思っていませんか?実は、意外なことに、ここ数年日本ではこの患者数が増えているんです!
    の原因は、皮肉にも、エアコンなど近代的な空調設備が充実したこと。室内外の温度差が大きい生活を続けていると、体本来の体温調節機能が低下し、血行の悪い体質になってしまうんです。熱い夏に涼しいエアコンの効いた室内で一日を過ごし、冷え性になってしまう方が増えているのと同じことです。

    ヒルドイドがしもやけに効く理由

    ヒルドイドには血行促進作用がありますから、血行不良からくる辛い症状をやわらげてくれます。
    1日に2~3回、患部に擦りこむように塗ります。加えて、食生活や住環境に気を配り、血行を良くする生活を心がけることも大切ですよね。

    原因の大半は、「体質」と言われています。一度なってしまうとすぐに治るというものではないので、根気強く治療するしかありません。

    しもやけの原因は体質によるもの

    実は、私も、手足の血行が悪く、指先に痒みが出る体質なんです。最初に発症したのは小さい子どものころ。このころは「痛くてかゆい」という自分の体の状況を親に上手に伝えることができずに、ただひたすら足の指を掻きむしっていました。

    その結果、皮膚は赤くただれ、パンパンに腫れ上がって、ひどい状況に。そうなってからようやく親が気づいて病院に連れて行ってもらいました。この時代はまだヒルドイドが一般的ではなかったので、ビタミンEが配合された塗り薬をいただきました。でも、なかなか治らず・・・結局、1年の三分の一をこの痛痒さと闘う日々が中学入学まで続きました。

    +漢方薬で、しもやけ治療

    この体質を長女が受け継いでしまって、3歳の頃から12歳の今まで悩まされています。

    今現在、皮膚科で受けている治療は、飲み薬はツムラの漢方38番「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を1日2包。これは体全体をあたため、冷え性を改善してくれます。そして塗り薬はヒルドイドソフト軟膏。末端の血行を改善してくれます。軟膏は1日2回、10日で1本使い切るのが目安でしょうか。

    この治療を11月中旬~3月中旬まで続けます。2月、一番寒さが厳しくなる頃、しもやけも最高潮に。
    足の指10本がどす黒く変化し、痛痒さで泣いて、夜も眠れなくなることも。こうなってしまったときは、飲み薬に抗アレルギー薬「アレロック」を追加してもらいます。

    ちなみに、長女の平熱は、通常時でも35.7~35.9℃程度。
    36度台に乗りません。全く同じ生活習慣を送っている弟たちの平熱は36度半ばで、しもやけとは無縁。ですからこれはもう本当に「体質」としか言えませんよね。

    なんと火傷や傷痕にも効くんです

    「切り傷・擦り傷の傷あと(肥厚性瘢痕)を作らず、きれいに治す」
    ヒルドイドの守備範囲は、すごく広いんです。赤ちゃんからお年寄りまで、たくさんの人が使っている実績があります。
    医師の指示通り適切に使って、早くキレイに傷を治しましょう!

    擦り傷や切り傷、火傷などの外傷を作ってしまったとき、傷自体は治っても、その傷あとが無惨にも残ってしまうということがありますよね。
    ※火傷や擦り傷による色素沈着はハイドロキノンを利用するとよいですよ。
    ヒルドイドでケアして、跡がのこってもハイドロキノン(メラニンを薄くする)でアフターケアですね。子どもは頬っておいてもなおりますが40代からはこういった成分を使うのも効果的です。

    そういった火傷や擦り傷、切り傷などのあとを残さないできれいに治す力があるんです。
    とはいっても、最近では、手軽になっている美容整形などでの傷はどうでしょうか・・・。

    最近は腋臭などの手術を行う人も増えてきていますが、さすがに手術痕ような大きさになってくると、はっきり「綺麗になります」とは断言できません。

    そういう場合は、手術自体に傷痕がなるべく残らない方法を選びましょう。

    子どもの擦り傷に

    昔、息子が校庭で転んでひざを擦りむいたとき、実際にある皮膚科で受けた治療についてお話ししましょう。
    小さいお子さんには、転んで膝を擦りむいてくるなんていうのは、しょっちゅうだろうと思います。

    外で、遊ぶのが好きな子供なら、怪我も必然的に多くなってしまいますよね。
    私の場合も、またいつものように、たいしたことのない擦り傷と思っていたのですが、傷口にばい菌が入ってしまって、すぐに化膿してしまいました。ジュクジュクと膿んでいて・・・。

    こうなると痛みもひどいらしく、かわいそうでした。
    病院では、まずは、消毒をします。そして、ばい菌を抑えるために抗生剤入りの軟膏をガーゼに塗って、傷口にあてます。このときは、ゲンタシン軟膏を使いました。

    ゲンタシンは子どものちょっとした傷によく処方されるお薬です。ガーゼは傷口にくっつきにくいタイプを選びます。そして、テープで固定する。
    かぶれにくいサージカルテープを選ぶように言われました。抗生剤(飲み薬)も三日分処方されました。

    この処置を日に2~3回繰り返し、2~3日過ぎたころ、傷口はふさがり、皮膚が再生をはじめます。そうしたら、ヒルドイドの出番です!!
    皮膚保湿作用と血行促進作用によって、ひどいかさぶたを作ることなく、健康的な皮膚を再生させることができるのです。

    キレイに皮膚再生

    実際に2週間もすると傷があったことも全然分からないくらいきれいに治りました。その後も、虫刺されの後のひっかき傷や、台所でのうっかり火傷などにも、「ヒルドイド持ってますよね、ちょっと塗っておくときれいに治りますよ」とアドバイスをいただきました。

    虫さされなどは、ついつい掻いて、虫さされの痕が残ってしまって・・・。という女性の方って結構多いと思います。
    ぜひ、一度使ってみてはいかがでしょうか?

    傷が治ってしまえば、傷あとなんて気にしない!という方もいるかもしれませんが、下手に傷あとを作ってしまうとケロイド状になってしまうことも。

    人目に付く顔周りや露出の多い部分はもちろんですが、それだけでなく、背中やお尻だって醜い傷あとが残ってしまったら一生の心の傷になります。
    (本人にとっては意外に気になるものです。)

    綺麗に治せるなら、傷痕は無い方が良いですよね。まずは、すぐに病院に行きましょうね。その方が確実に、そして、早く、きれいに治ります。適切に使って、前以上にきれいな肌を目指してがんばりましょう。

    静脈瘤にもヒルドイド

    出産後の静脈瘤が気になる方に朗報です。ヒルドイドの効果は血行促進と保湿だけではありません。

    この薬はそもそも、凝血阻止血行促進剤として販売が開始されました。
    先のページでもご紹介させていただきましたが、最初はマルホ株式会社様が凝血阻止血行促進剤として販売していたものが、使っているうちに皮脂欠乏症に対しての効能がわかり、1990年にその効能があるとはっきり追加承認されたことから、血行促進・皮膚保湿剤として、販売されるようになってきました。
    主成分のヘパリン類似物質に、血液のかたまりを抑える力があるんです。この効果によって、血栓性静脈炎の治療にも使われています。

    血栓性静脈炎というのは、静脈瘤が悪化した状態。まずは静脈瘤について説明しますね。

    静脈瘤はほとんどの場合、足に出ます。色んな原因で静脈弁がうまく機能しなくなって、立ったままでいると血液が逆流してしまい、足の静脈にかかる圧力が上がって、かたまった血が瘤(コブ)のように見える状態のことです。

    立ち仕事の多い方、妊産婦さんに多いと言われています。これが悪化すると血栓になってしまい、静脈の流れを完全に遮ってしまいます。
    血栓になった静脈瘤は硬く腫れ上がり、痛みがひどくなります。

    なんと、その血栓(血のかたまり)を解きほぐしてくれる力が!!
    主成分・ヘパリン類似物質は抗凝固薬としても知られています。気になる血栓を中心にちょっと広めにを塗りましょう。しっかりと、血栓まで届かせる気持ちで塗りこんであげるのがコツです。

    1日に2~3回を目安に根気強く続けましょう。あまりひどい場合には、外科手術で血栓を取り除くことも。放置すると肺塞栓症などの病気の引き金になってしまいますから。

    実は私も子供を出産した後、右足のふくらはぎにひどい静脈瘤ができたんですよね。鏡で見ると目をそむけたくなるくらい、くっきりと。

    そのため、ふくらはぎが露出するスカートは着られませんでした。特に夕方になると特にひどかったです。むくんで、だるいだけでなく、かゆくなるんですよね。ふくらはぎマッサージ器を買ってマッサージしてみたり、弾性ストッキングを使ったり、色々工夫しましたがなかなか治りませんでした。

    3年ほどたって、徐々に、薄くなってきたように思います。こんなとき、使っていたら、もっと早く静脈瘤を消すことができたかもしれませんね。血管外来に行って使用を相談してみれば良かったと後悔しています。表面の擦り傷や切り傷、火傷痕と違い、皮膚の内側にまで効果があるなんて、本当に驚きですよね。

    打ち身、ねん挫の後の様々な炎症にもヒルドイド

    転んだ、ぶつけた、打ち付けた

    元気のよい子供にとっては日常茶飯事のことですよね。そしてぶつけた後には黒々とした痣(あざ)が。ヒルドイドはこんな痣にも効果を発揮します。

    黒っぽい痣ができちゃったら、なんて表現しますか?私の生まれ育った地方では「黒血(くろち)が寄った」と言いました。「今日、学校で転んで黒血寄っちゃった」なんて、よくあること。昭和時代のことですから、ああ、ほっとけばそのうち治るよ、なんて、親にも相手にされませんでしたが。

    でも、自分が子供を持つ身になると、「あら、どうしたの?どこでぶつけたの?」なんてつい心配で聞いてしまいます。こんなとき、使えますよ♪
    皮膚の下に見えるのは、静脈瘤の時同様、血のかたまりですから、凝血阻止血行促進作用が効くんです。1日に2回か3回、塗ってあげると徐々に血のかたまりが解きほぐされ、消えてなくなります。

    特に女の子の場合は、目立つところに痣があったらかわいそうですから、早めに診察を受けて治療されることをおすすめします。

    皮膚に外傷ができてしまったときにも

    また、転んだりぶつけて皮膚に外傷ができてしまったときにもおすすめです。皮膚の表面には切り傷、皮膚の中には痣とダブルで症状が出ているようなときこそ本領発揮。
    皮膚表面のすり傷や切り傷には保湿作用が働き、肌が自然に自分で傷を治すサポートをします。
    そしてかさぶたになって肌が新しく再生するときには傷あとが残らないようにしてくれます。

    皮膚の中にできた痣には凝血阻止&血行促進のフル稼働。ヒルドイド1本でもう安心です。
    子どもたちが小さいころからお世話になっている小児科の先生は、本当に色々な症状に対して処方します。

    アトピー性皮膚炎、切り傷、打ち身、すり傷、やけど、しもやけ・・・。あまりにも色んな症状に多用されるので、ありがたみが薄くなってしまうような気もしていました。

    幼稚園ママの間でも、「あの先生、いつもだよね・・・」なんて話題が出るくらい、ママたちの間にも浸透していました。ママたちのお出かけバッグの中にもいつも必ずあのピンクのチューブ(ソフト軟膏)が入っていたような気がします。でも、こうしてよく見てくると、お医者様がなぜ頻繁に処方するのか、分かってきました。こんな便利なお薬、使わない手はないですよね!!

    ワセリンや尿素と保湿力を比べてみました

    炎症や乾燥を抑える保湿剤として、皮膚科で処方されるお薬としては、ヒルドイドの他に白色ワセリンや尿素配合の保湿剤があります。これらとはどんなふうに違うのでしょうか。

    水分蒸発を防いでくれる、ワセリン

    ワセリン(ここでは白色ワセリンのことを指しています)は、ワセリン単体としても使われていますが、色々な保湿剤や化粧品にも幅広く配合されているんですよ。
    もちろん、ヒルドイドにも配合されています。女性にはなじみのある成分かなと思います。

    ワセリン単体を継続的に使用した場合、皮膚の水分量はおだやかに上昇します。
    でも、その上昇具合は、ヒルドイドには見劣りします。しかも、効果の持続があまり期待できないんですよね。

    ワセリンは、皮膚の表面に油性成分の薄い膜を作ることで、皮膚の中からの水分の蒸発を防ぐと言う働きをします。
    しかし、蒸発を防ぐためにフタをする働きはあっても、ヒルドイドのように皮膚の中でNMFやセラミドと協働し、うるおいそのものを作り出す働きはないのです。

    皮膚をやわらかくしてくれる尿素

    尿素は、その名の通り、もともとは尿に含まれている成分。保湿成分として、ハンドクリームに配合されていることでお馴染みの成分です。尿素の特徴は、保湿作用に加えて、タンパク質を分解する力を持っていること。これによって硬くなってしまった角質をやわらげてくれるのです。

    ですから、こちこちになった手指の荒れを改善することができるのです。
    でも、肝心の保湿効果は・・・尿素を1.0%配合した保湿剤を継続的に使用して、皮膚の中の水分量を計ってみると、残念ながらあまり改善が見られませんでした。
    尿素の配合比率を上げると角質柔軟作用が強すぎて、皮膚への刺激が強くなってしまう結果に。

    ヒルドイドは違う

    最大のポイントは保湿効果が持続することです。ヒルドイドソフト軟膏を継続使用した場合、皮膚の水分量が順調に増えていき、その効果が持続することが分かっています。
    ヒルドイドにはワセリンやグリセリンと言った保湿成分に加えて、「ヘパリン類似物質」が入っていますよね。
    「ヘパリン類似物質」が加わることで、皮膚の中の水分を守るだけでなく、血行の改善、凝血の阻止といったように、さらに一歩踏み込んだ働きかけをしてくれるんです。
    これが一般の保湿剤と医療用医薬品の違いです。

    ヒルドイドは、血行を促進し、皮膚を保湿し、血液の凝固を阻止するお薬です。それ以外の効果(傷を治すとか、ばい菌の繁殖を抑えるなどの働き)はありません。

    ですから、基本的に他のお薬と併用が可能です。
    でも、お薬によってはお互いの働きを弱めてしまったり、また強めてしまったりということもあるので、かかりつけのお医者さんに相談することが必要です。

    医療用医薬品は市販の保湿剤よりも短期間で効果が強く出るように設計されていますから、素人の浅はかな考えで医療用医薬品を併用したり、重ね塗りするのは絶対にやめておきましょう。

    さて、ここまではヒルドイドの効能・効果についてみてきましたが、ヒルドイドにはクリームとソフト軟膏とローションの3種類があります。

    共通しているのは、主成分の「ヘパリン類似物質」
    それからグリセリン、白色ワセリンの三つです。

    グリセリンと白色ワセリンの働きは、保湿剤。皮膚の水分をコントロールし、乾燥を抑えるという働きです。
    そしてさらに複数の保湿剤、エモリエント剤、品質保持成分がそれぞれのバランスで適宜、配合されています。
    ちょっと硬めのクリーム感を出したい、さらっと感を出したい、というような粘性を調節する働きのある成分も配合されています。

    主成分はヘパリン類似物質

    ヒルドイドが医療用医薬品たる主成分は、ヘパリン類似物質です。「ヘパリンに似たもの」という、この物質は、もともと私たち人間の皮膚の真皮にも存在しているんですよ。
    もともと存在している成分だからを含んでいるからこそ、皮膚再生効果が高く、様々な症状に効果があるんでしょうね。
    ヒアルロン酸やグルコサミンなどと同じ「ムコ多糖類」の一種です。

    現在、医薬品に配合されているヘパリン類似物質は、人間と同じ哺乳類の豚の臓器から抽出されたものを精製した、天然由来成分です。
    化学的に合成されたものよりも刺激が低いとされています。

    じゃあ、なぜそのものではなく、類似物質なのか?
    残念ながらヘパリンはそのまま皮膚に塗っても体内には吸収されません。

    ヒアルロン酸をそのまま皮膚に塗っても吸収されないのと同じことで、分子量が大きすぎるんですね。

    だから、元の素晴らしい働きはそのままだけど、構造がちょっと違っていて皮膚に吸収されやすい大きさという、バージョンアップ成分が開発されたのです。それが、ヘパリン類似物質です。

    ヘパリン類似物質によって保湿力アップ

    では、いよいよヘパリン類似物質が皮膚の中に浸透したと想像してください。皮膚の中に入ると、周りにある水の分子をぐいぐいと引き寄せ、自ら抱え込んでくれます。
    ヘパリン類似物質はカルボキシル基や水酸基、硫酸基など、水との親和性の高い原子の集まりで構成されています。そのため、吸水作用・保水作用が抜群なんです。

    こうして水分をしっかりと繋ぎ止めておくことで、肌の乾燥を防ぎ、内側からしっかりとうるおう、健康的な皮膚に導いてくれるという訳です。

    ヘパリン類似物質の働きはこれだけではありません。皮膚が本来持っている天然保湿因子(NMF)が増加する手助けをします。
    それによって角質の中の細胞間脂質(セラミド)の配置が正常な状態に修復されます。

    その結果、皮膚のバリア機能がスムーズに回復。水分を閉じ込める力だけでなく、外部からの刺激(紫外線とか、乾燥とか、摩擦とか)を跳ね返す力もアップするのです。

    さらに、これによって新陳代謝が活性化するので、皮膚の血行が良くなります。炎症などのトラブルを抱えた皮膚を正常な状態へと導いてくれるのです。
    炎症してしまったらルミキシルという海外のシミ取りクリームやハイドロキノン配合コスメでケアするしかありません。

    唯一その欠点を上げるとすれば、やはり医師の処方箋が無いと購入できないというところでしょうか。