合成副腎皮質ステロイド(ステロイド)であるプレドニゾロンは、さまざまな病気に効果がありますが、ほかにかかっている病気によっては使用できないことがあります。

 

プレドニゾロンが使用できない病気

ダメな場合

プレドニゾロンの過敏症を起こしたことがある場合

薬で過敏症を起こしたことがあると、再度、使用したときにさらに重い過敏症を起こすおそれがあります。そのため、プレドニゾロンで過敏症を起こしたことがある場合には、プレドニゾロンは使用できませんので、必ず、医師や薬剤師に過敏症の有無を伝えるようにしましょう。

感染症の場合

プレドニゾロンは免疫を抑えるために使われますが、感染症があるときに使うと、免疫が抑えられることで感染症が悪化することがあります。その感染症を治療する薬が存在しない場合や、全身的に真菌に感染している、あるいは結核菌に感染しているなどの場合は、使わないことが原則になっています。

体のむくみ、高血圧の場合

プレドニゾロンは免疫を抑制する糖質コルチコイド作用のほかに、弱い鉱質コルチコイド作用があるため、血中のナトリウムを増やす作用を持っています。その結果、体のむくみや高血圧を引き起こすことがあるのですが、もともと、体のむくみや高血圧がある場合は、症状が悪化することが考えられるため、使用しないことが原則です。





消化性潰瘍や内臓手術後の場合

プレドニゾロンを使うと、胃粘膜細胞の再生や傷の治癒に必要な肉芽ができるのを抑えて、傷の治りが悪くなることがあります。消化性潰瘍のときや、内臓手術後に手術創がある場合には、使わないこととされています。

眼の病気の場合

緑内障や白内障の場合は、プレドニゾロンを使用することで、症状が悪化することがあります。また、眼にウイルス・結核菌・真菌などの感染や化膿があるときにプレドニゾロンを直接眼に使うと、免疫が抑えられて、眼の感染症が悪化することがあります。このような眼の病気の場合は使わないことが原則です。

血栓症や急性心筋梗塞を起こした場合

プレドニゾロンを使うと、血液を固まらせる成分の量が増え、血液が固まるまでの時間が早まり、血栓ができやすくなりますので、血栓症の場合には使わないことが原則です。急性心筋梗塞を起こした場合では、プレドニゾロンを使うと血栓ができやすくなることに加えて、心臓に栄養を与えている冠動脈の動脈硬化を早めて、心臓の心室の壁を弱くすることが知られています。心臓が破裂した事例もありますので、急性心筋梗塞を起こした場合には、使用しないことが原則になっています。

精神病の場合

女医プレドニゾロンは大脳の働きに影響を与えて精神病を悪化させることがありますので、精神病の場合には使わないことが原則になっています。たとえば、セロトニンが作用する神経系が阻害されるとうつ状態が、カテコールアミンが働く神経系が興奮すると統合失調症が起こると考えられています。





プレドニゾロンの効果効能と副作用