プレドニゾロンの注射は、内服できないときや、内服で効果が出るのを待っては間に合わないような緊急時に用いられます。静脈内注射、筋肉内注射、関節腔内注射など、病気に合わせた注射方法が選ばれます。

 

注射で効果のある病気

プレドニゾロンの注射は、気管支喘息、急性白血病をはじめ、さまざまな病気に効果があることが認められています。それぞれ、病気に合わせた注射方法が決められています。

気管支喘息

気管支ぜんそく
気管支喘息は、炎症を抑える、気管支を拡張する、アレルギーを抑えるなどの薬を用いて、可能な限り呼吸機能を正常化するように治療します。普段は長期管理薬でコントロールして、発作が起きたときには発作治療薬を用います。ステロイドは、炎症を抑える薬として、長期管理薬、発作治療薬のいずれにても用いられますが、特にプレドニゾロンを注射するのは発作が強い場合です(喘息予防・管理ガイドライン2015より)。静脈内注射、点滴静脈内注射などで用いられています。





急性白血病

幼弱な白血球が急に増殖して正常な白血球、赤血球、血小板が少なくなることにより、病気の原因となる細菌やウイルスに感染しやすくなる、貧血、出血が止まりにくくなるなどの症状が現れる病気です。治療は抗悪性腫瘍薬を決められた組合せで用いますが、プレドニゾロンもその中に組み込まれ、脊髄腔内に注入する方法で用いられます。

その他の病気

プレドニゾロンの注射は、主に静脈内注射や点滴静脈内注射、筋肉内注射で用いられますが、病気の部位に直接注射する特徴的な使い方もあります。

  • 関節リウマチ
  • 関節腔内注射で、関節の炎症を抑えます。

  • 限局性腸炎、潰瘍性大腸炎
  • 注腸で、腸の炎症を抑えます。

  • 結核性髄膜炎…脊髄腔内注入で髄膜の炎症を抑えます。
  • 結核性胸膜炎…胸腔内注入で胸膜の炎症を抑えます。
  • 強直性脊椎炎に伴う四肢関節炎
  • 関節腔内注射で関節の炎症を抑えます。

  • 関節周囲炎(感染性でないもの)、腱周囲炎(感染性でないもの)
  • 軟組織内注射、腱鞘内注射、滑液嚢内注入で炎症を抑えます。

  • 卵管閉塞症(不妊症)に対する通水療法
  • 卵管腔内注入を行います。

  • 円形脱毛症
  • 頭皮の局所に皮内注射を行います。

若手の医者のコメント関節腔内注射、軟組織内注射、腱鞘内注射、滑液嚢内注入は、原則として投与間隔は2週間以上です。脊髄腔内注入は週2~3回、胸腔内注入は週1~2回、局所皮内注射は週1回と、投与間隔は投与方法にあわせて決められています。

 

プレドニゾロンを注射したときの注意

注射の場合は、ダイレクトに体内に薬が入っていくため、副作用への注意がより必要になってきます。まず、免疫が抑えられている状態なので、感染症への注意が必要です。また、連用しているときに投与を急に中止すると、ショックなどの離脱症状が現れることがあるので、医師の指導に従うことが大切です。





プレドニゾロンの効果効能と副作用