外用のステロイド剤|軟膏とは

外用のステロイド剤

ステロイド剤には、軟膏など塗る薬(外用の薬)もあります。

医師から処方されるものだけではなく、薬局などで市販されているものもありますので、店頭で見たことがあるかもしれませんね。

ここでは、外用のステロイド剤の作用と副作用、種類、塗り方についてご紹介しましょう。

外用のステロイド剤の作用と副作用

ステロイド剤には、軟膏やクリームなどの塗る薬(外用)のほかに、飲む薬(内服)や注射する薬(注射)もあります。

皮膚に塗る外用のステロイド剤は、皮膚の炎症をおさえるために使われています。

皮膚に使うタイプの薬には、

  1. 軟膏などを塗った場所の皮膚に作用する場合と
  2. 皮膚に薬の入ったテープなどを貼って皮膚から体の中に薬を入れる場合があります。

外用のステロイド剤は、塗った場所の皮膚に作用するもので、体の中に薬を入れようとしているわけではないので、内服や注射のステロイド剤と比べると、全身的な副作用は少ないといってよいでしょう。

その半面、皮膚に直接使うので、皮膚の副作用については注意しておきたいところです。

たとえば、ステロイドは免疫をおさえる作用があるため、細菌やウイルスに対する免疫力をおさえることになります。

そのため

  • 皮膚の感染症にかかりやすくなるといってよいでしょう。
  • また、皮膚が薄くなって毛細血管が目立つようになったり
  • 毛が多くなったり
  • 皮膚の色が抜けてきたり

など、さまざまな変化が起こる場合があります。

このようなときは、徐々にステロイドを使うのをやめてステロイド以外の薬に切り替えていくことになります。

塗り薬のなかには、

  • 日光にあたると光線過敏症という皮膚に発疹が出るような副作用が出ることがあるものもあります。

たとえば、ケトプロフェンという炎症をおさえる薬が含まれるクリームやローションでは、光線過敏症を引き起こす可能性があることが知られています。

その塗り薬を使う場合には塗ったところを日光に当てないよう注意が必要なのですが、外用のステロイド剤の場合には、一般的には特にそのような注意喚起がなされることはありません。


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外用のステロイド剤の種類 一覧表

外用のステロイド剤2

外用のステロイド剤には、さまざまな種類があります。
強さによって5つに分類されていますので一覧表でご紹介しましょう。

いちばん強い分類がストロンゲスト、いちばん弱い分類がウィークです。
薬の名前の前半が同じでも、後半の名前が異なると強さの分類が違うことがあるので注意しましょう。

強さの分類 薬の名前
Ⅰ群 ストロンゲスト デルモベート軟膏・クリーム(一般名:クロベタゾールプロピオン酸エステル)
ジフラール軟膏・クリーム(一般名:ジフロラゾン酢酸エステル)
Ⅱ群 ベリーストロング アンテベート軟膏・クリーム(一般名:ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)
パンデル軟膏・クリーム(一般名:ヒドロコルチゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)
Ⅲ群 ストロング メサデルム軟膏・クリーム(一般名:デキサメタゾンプロピオン酸エステル)
ザルックス軟膏・クリーム(一般名:デキサメタゾン吉草酸エステル)
ベトネベート軟膏・クリーム(一般名:ベタメタゾン吉草酸エステル)
Ⅳ群 ミディアム リドメックスコーワ軟膏・クリーム(一般名:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)
ロコイド軟膏・クリーム(一般名:ヒドロコルチゾン酪酸エステルなど)
Ⅴ群 ウィーク プレドニゾロン軟膏・クリーム(一般名:プレドニゾロン)
オイラゾンクリーム(一般名:デキサメタゾン)

 

外用のステロイド剤の塗り方

軟膏の塗り方

皮膚に発疹やかゆみがあるなど炎症が起きている場合、炎症の強さにあわせて適切な強さのステロイド剤を使いましょう。

ステロイド剤で発疹やかゆみをおさえて皮膚をかき壊すのを防いだほうが、皮膚の炎症の悪化をおさえることができるのです。

ただし、顔など皮膚の弱い部分にはウィークやミディアムのステロイド剤を用います。

また、小児では、体でも皮膚が弱いのでウィークやミディアムのステロイド剤を使うことがおすすめです。

外用のステロイド剤を使うときの量には目安があります。

ステロイド剤のチューブから、使う人の人差し指の指先から第一関節までの長さのステロイドをしぼりだした量を、その人の手のひら2枚分の面積に使うようにしましょう。

ステロイドはこわいと思わずに、適切な強さ・適切な量のステロイド剤を使うのが、早く治すことにつながります。
効果的にステロイド剤を活用することをおすすめします。

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