プレドニゾロンは合成副腎皮質ステロイドの一種で、炎症を抑える薬です。使うときも中止するときも適切に使わなければいけない薬として知られています。
合成副腎皮質ステロイドという薬
体の中には、左右の腎臓の上に副腎という臓器があります。あまり意識することがない臓器かもしれませんが、副腎からは体の働きを維持するために必要なホルモンが分泌されています。そのひとつが副腎の外側の副腎皮質というところから分泌されている副腎皮質ホルモンです。副腎皮質ホルモンは、さらに糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに大きく分けられます。このうち糖質コルチコイドはヒドロコルチゾンとよばれる物質で、副腎の機能が弱ったときなどに薬としても使われています。ヒドロコルチゾンの分泌は早朝がピークで夜間は少なくなりますので、少ない量を使うのであれば、ヒドロコルチゾンを朝1回飲むことで、本来の体のリズムにあわせることができます。
このヒドロコルチゾンは、糖質コルチコイドとして炎症、アレルギー、免疫を抑える働きが期待できるのですが、鉱質コルチコイドの作用ももっているため、体のむくみや高血圧という副作用を引き起こすことがあります。そこで、ヒドロコルチゾンの鉱質コルチコイド作用を弱めて糖質コルチコイド作用を強める目的で、合成副腎皮質ステロイドという薬がつくられるようになりました。
適切に使ってきちんとした効果を得たいプレドニゾロン
一般的にステロイドとよばれる合成副腎皮質ステロイドの一種がプレドニゾロンです。ヒドロコルチゾンと比較すると、プレドニゾロンの炎症を抑える糖質コルチコイド作用はヒドロコルチゾンの4倍ですが、鉱質コルチコイド作用はヒドロコルチゾンよりも弱いため、体のむくみといった副作用は少なくなっています。プレドニゾロンのほかにも、さまざまな合成副腎皮質ステロイドがあり、プレドニゾロンよりも炎症を抑える効果が強く、体のむくみといった副作用が少ないものもあります。また、効果持続時間がプレドニゾロンよりも長くなっているものもあります。
合成副腎皮質ステロイドを使用する際に注意したいのは、薬を使っているときに現れる副作用のほかに、薬を中止するときに症状が悪化することがあることです。ですから、必ずしも強くて長く効く合成副腎皮質ステロイドを選べばよいわけではありません。病気の治療に最適な合成副腎皮質ステロイドを選ぶことが必要になってきます。副作用の面からは、使う量はできるだけ少ないほうがよいのですが、薬を使うのは病気を治す目的のためですので、なるべく高い効果を得て、早く病気を治すためには適切な量を使う必要があるのは言うまでもありません。
合成副腎皮質ステロイドを使う際には、自己判断で使ったり中止したりするのは避けたほうがよいでしょう。医師や薬剤師に相談しながら使うことをおすすめします。
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