合成副腎皮質ステロイド(ステロイド)であるプレドニゾロンは、炎症、アレルギー、免疫をおさえることから、内服で多くの病気に使われています。内服時に守るべき注意事項も確認しましょう。

内服で効果のある病気

プレドニゾロンの内服が効くとされる病気にはさまざまなものがあります。

副腎皮質機能不全

プレドニゾロンは、体の中にある副腎皮質ステロイドをもとにつくられた薬のため、副腎皮質の機能が弱まったときに、その機能を補うために用いることができます。

関節リウマチ

関節リウマチの治療には、基本的には、免疫をおさえる抗リウマチ薬を用います。しかし、プレドニゾロンにも関節破壊抑制効果があることがわかったため、早期の関節リウマチの場合には、抗リウマチ薬とプレドニゾロンを短期間(6ヶ月以内)であれば一緒に使うことが可能とされています(関節リウマチ診療ガイドライン2014より)。





気管支喘息

喘息
気管支喘息の治療は、長期管理薬(炎症を抑える薬、気管支を広げる薬、アレルギーを抑える薬など)で発作が起きないようにコントロールしつつ、もし発作があった場合には発作治療薬を用います。プレドニゾロンではありませんが、ステロイドが長期管理薬として吸入で用いられています。プレドニゾロンの内服は、発作治療薬として用いることがすすめられています。ただし、発作が強い場合などは、プレドニゾロンなどのステロイドの注射が用いられます(喘息予防・管理ガイドライン2015より)。

湿疹・皮膚炎

湿疹
プレドニゾロンは炎症を抑える働きがありますので、湿疹・皮膚炎にも効果があります。湿疹・皮膚炎の場合には、外用がまず使われますが、内服でもプレドニゾロンを使うことができます。

その他の病気

このほか、エリテマトーデス、ネフローゼ、中毒疹、紫斑病、悪性リンパ腫、川崎病の急性期などにも効果があることが認められています。

 

プレドニゾロンを飲んでいるときの注意

プレドニゾロンは免疫を抑える薬ですので、飲んでいる最中は普段よりも免疫力が下がっている状態です。人ごみでのマスク着用や、外出から戻ったときの手洗い・うがいなど、細菌などの感染の予防を心がけましょう。プレドニゾロンを飲んでいるときは、生ワクチンなどの接種についても、医師などに相談が必要です。また、続けて飲んだあとに、急に飲むのをやめると、発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛などの症状が出ることがありますので、医師の指示どおりに飲むようにしましょう。