合成副腎皮質ステロイド(ステロイド)であるプレドニゾロンは、炎症をおさえることから、外用では皮膚、鼻、眼などの炎症に使われています。
外用で効果のある病気
湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみなど
プレドニゾロンや、プレドニゾロンのアンテドラッグ(皮膚では作用がプレドニゾロンよりも強く、体内に吸収されるとプレドニゾロンに変わって作用が弱まる)であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが用いられます。
ステロイドにはさまざまなものがあり、外用に用いるステロイドの強さは、5段階(強い順に、ストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、マイルド、ウィーク)で表すことができます。
ストロンゲスト…クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステルなど
ベリーストロング…ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルなど
ストロング…デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステルなど
ミディアム…プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステルなど
ウィーク…プレドニゾロン、デキサメタゾンなど
さまざまな強さのステロイドは、炎症の度合いに応じて使い分けがされますが、体の中でも顔など皮膚が弱い部分には弱いステロイドが用いられます。また、小児の場合は体でも弱いステロイドが使われています。プレドニゾロンはウィークに、プレドニゾロンのアンテドラッグであるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはプレドニゾロンより1段階強いとはいえマイルドに分類されていますので、ともに皮膚が弱い部分や小児にも使うことができるステロイドといえるでしょう。
潰瘍性大腸炎、限局性腸炎
プレドニゾロンを直腸から注入して、炎症を抑えます。
鼻充血・うっ血
鼻粘膜のはれを抑えるプレドニゾロンに、鼻粘膜の血管を収縮させる薬(テトラヒドロゾリン塩酸塩)を配合した点鼻剤が用いられます。
眼や眼の周りの炎症性疾患
眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症などに、プレドニゾロンの点眼剤や眼軟膏が用いられます。
外用のプレドニゾロンを使っているときの注意
皮膚にプレドニゾロンを使っているときは、局所的に使っていますので、適切に使っているなら全身的な副作用は問題になりません。ただし、皮膚が赤くなる、萎縮する、多毛となるなどの局所的な副作用が起こることがあります。また、免疫を抑えるため、二次的に皮膚感染症を生じやすい状態になりますので、感染には気をつけましょう。
点眼剤や点鼻剤などは、使い方によっては、全身的な副作用が出る可能性がありますので、適切な使用量を守って使うことが必要です。また、免疫を抑えるため、点眼では眼に、点鼻では鼻に二次的に感染症が起こることがあります。その場合は医師に適切な処置をしてもらうようにしましょう。