ロコイド軟膏はステロイド
乳幼児に処方されることが多い『ロコイド軟膏』。
ステロイド外用剤の一種で、市販はされていません。
ロコイド軟膏は、高齢者や小児、乳幼児の急性および慢性病巣に処方されます。
『ロコイド』は商品名であり、一般名を『0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル』と言います。
ロコイド軟膏は、子供のちょっとした湿疹や掻き壊し、虫刺されなどにも処方されることの多いため、名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
知名度が高いから、よく処方されるから、軽度の皮膚疾患に使用しても問題はない?
そもそも、ステロイドを使用すべき基準は?
結論から先に申しあげると、ロコイド軟膏のように医師の処方がないと入手できないステロイド外用剤(※インターネットでは処方箋なしで購入できるショップもあります)は、どんなに薬効レベルが低い場合でも、医師や薬剤師の指示通りに使うことが基本です。
ステロイド使用における『標準』は実はありません。
あえていうならば、各薬の添付文書に書いてあることが「基準」となりますが、それが必ずしも担当医師の診断と同じであるとは限りません。
- 病巣が軽度だから不要
- 怖いから処方されても使わない
- 通院せずに、ロコイド軟膏と同じステロイド成分を含有した商品や、同じ薬効レベルの商品の市販薬を購入する
などと素人判断せず、まずは病院で受診することを最優先にし、医師の診断を仰いでください。
ステロイド含有の市販薬の購入はできれば第2選択肢とすることをおすすめします。
ステロイド外用剤の市販薬は、同じ成分の処方薬より濃度が薄くなっており(約半分)、薬剤師でなくとも登録販売者であれば販売できる『指定第2類医薬品』となっています。
薬剤師による詳しい説明を聞きたい場合は、ドラッグストア内の薬局がオープンしている時間帯に行ってみてはいかがでしょうか?
ステロイドの働き|作用
『ステロイド』とはステロイド骨格を持つホルモンの総称です。
このホルモンには色々ありますが、一般的には薬剤の一つであるグルコ(糖質)コルチコイドのことを指します。
グルココルチコイドは、副腎皮質の細胞で生成され、肝臓でタンパク質を糖に変換することにより、血糖量を上昇させます。
また抗炎症作用や免疫抑制作用があります。
ロコイド軟膏の薬効レベル
ロコイド軟膏は、皮膚科領域におけるステロイド外用剤の薬効レベル1~5(1が強い、5が弱い)のなかで、4のレベルです。
※診療科においてこのレベルの表記は変わります。
このレベル分けは、体内への吸収率の強弱を表しています。
一般的な表記 | 適応病巣 |
---|---|
レベル1:strongest・Ⅰ群 | Ⅱ群に同じ |
レベル2:very strong・Ⅱ群 | 成人の急性病巣 がんこな結節(けっせつ:皮膚や内臓にできる隆起物・しこりや腫瘍) 苔癬化(たいせんか:アトピーのようにゴワゴワした皮膚になること)病巣 |
レベル3:strong・Ⅲ群 | 成人の急性・慢性病巣 |
レベル4: medium/mild・Ⅳ群 | 高齢者、小児、乳幼児の急性・慢性病巣 |
レベル5:weak・Ⅴ群 | 乳幼児の急性病巣 |