ステロイドの強さ
薬局で患者さんに副腎皮質ステロイド(以下、ステロイド)をお渡しすると、「このステロイドは強いですか?」とたずねられることがあります。
ステロイドにはプレドニンなどのような飲む薬(内服の薬)やスピラゾン軟膏やアンフラベート軟膏のような塗る薬(外用の薬)などがありますが、ここでは内服のステロイドの強さについて、比べてみましょう。
内服で使われているステロイドの強さ
ステロイドは、もともと体の中にあるヒドロコルチゾンというホルモンから、炎症をおさえる働きを残して、他の働きがなくなるよう、変更してつくられてきました。
内服で使われているステロイドの強さを比較するときには、このヒドロコルチゾンを基本として考えます。
内服のステロイドは炎症をおさえる強さから、3つのグループにわけることができます。
ヒドロコルチゾンの炎症をおさえる強さを基本とすると、その25~30倍の強さのステロイドもあります。
グループの1つ目はヒドロコルチゾンそのものが含まれるもので、炎症をおさえる強さを比較するときの基本となります。
2つ目のグループは強さがヒドロコルチゾンの4~5倍の薬で、ステロイドの代表的な薬であるプレドニン(一般名:プレドニゾロン)がこれにあてはまります。
最後に3つめのグループの薬はヒドロコルチゾンの25~30倍の強さをもっています。
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3つのグループのステロイドの違い
(錠剤画像)
炎症をおさえる強さでステロイドは3つのグループにわけられますが、そのグループにより作用が続く時間も違います。
そのため、作用時間の分類名がありますので、薬の名前とともに一覧表でご紹介しましょう。
作用時間の分類 | 薬の名前 | 炎症をおさえる強さ | むくみなどが現れる強さ | 体の中でのききめが半分になる時間 |
短時間型 | ・コートリル (一般名:ヒドロコルチゾン) ・コートン (一般名:コルチゾン酢酸エステル) |
1~0.8 | 1~0.8 | 8~12時間 |
中間型 | ・プレドニン (一般名:プレドニゾロン) ・メドロール (一般名:メチルプレドニゾロン) ・レダコート (一般名:トリアムシノロン) |
4~5 | 0.8~0 | 18~48時間 |
長時間型 | ・デカドロン (一般名:デキサメタゾン) ・リンデロン (一般名:ベタメタゾン) |
25~30 | 0 | 36~54時間 |
短時間型、中間型、長時間型の薬の「炎症をおさえる強さ」と「むくみなどが現れる強さ」を確認してみましょう。
短時間型より、中間型、長時間型になるにつれて、炎症を抑える強さが強くなっているのに対して、むくみなどが現れる強さは弱くなったり、なくなったりしていますね。
このような違いをふまえて、ステロイドは使われています。