ヘルペスとテラコートリル

菌

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ヘルペスって

ウィルス感染症の一種です。
単純疱疹ヘルペスと帯状疱疹ヘルペスに大別できます。

単純疱疹

帯状疱疹単純疱疹ヘルペスは、単純ヘルペスウィルスHSV(Herpes Simplex Virus)1型(HSV-1)または、 単純ヘルペスウィルス(HSV) 2型(HSV-2)によって起こるウィルス感染症です。
HSV-1とHSV-2の違いは、発症部位にあります。
前者は上半身に、後者は下半身にできます。
HSV-2には、それゆえ性器ヘルペスとの別名があります。
HSV-1は、主に三叉神経節に潜伏感染し、唇を中心に顔面部に発症します。

ところで口唇ヘルペスは、なんと紀元前100年に最初の症例報告がなされているくらい、古くから知られた病気です。
新生児がヘルペスに感染するルートは、産道において母親から感染する垂直感染が大部分です。
現在では、ヘルペスウィルスに特異的に有効な抗ウィルス剤が開発されています。










帯状疱疹

帯状疱疹ヘルペスは、水痘・帯状疱疹ウィルスVZV(varicella-zoster virus)によって起こるウィルス感染症です。
一生に一度しかかかりません。
痛みがとても強く、見た目も非常に痛々しくなります。
近年は抗ウィルス剤が生成されてから、治療成績が上がってきましたが、痕が残ったり、帯状疱疹後神経痛という強い神経痛が起きる可能性があります。これは、とても激烈な痛みで、鎮痛剤が効かないことが多く、非常につらい痛みです。麻酔科のペインクリニックを紹介されることもあるくらいです。

ところで、この帯状疱疹は他人からうつったものではなく、本人の神経節内に長期間潜伏していたウィルスが暴れ出したものといわれています。

高齢者に多いですが、稀に若年者にもみられるようです。帯状疱疹は、局所の疾患です。ウィルス血症という状態にはなっていませんので、胎児に影響することはありませんので、妊婦が帯状疱疹にかかっても、そういった点では問題ありません。しかし、たくさんの発疹がみられる場合は、水痘と同じ様に考える必要があり、注意が必要です。

治療

抗ウィルス剤の内服や注射、抗ウィルス外用薬の塗布になります。
抗ウィルス外用薬が開発される前は、非ステロイド性消炎鎮痛外用剤が用いられていましたが、現在は抗ウィルス外用剤が用いられる様になりました。従って、抗生物質・副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)配合剤であるテラ・コートリル軟膏は塗らず、抗ウィルス外用剤を処方してもらって塗布するほうががよいでしょう

予後

帯状疱疹は、おおむね3週間くらいで治癒し、一般的には二度とかかることはありません。免疫不全症があれば例外ですが。帯状疱疹後神経痛さえなければ、比較的治りのいい病気です。

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