アトピー性皮膚炎とは、皮膚疾患の中でも原因が特定しにくい皮膚疾患です。何らかの原因で皮膚の免疫システムが誤作動を起こし、攻撃する必要のない物質に反応し攻撃し続けることで、皮膚の表面が荒地のようになってしまうのがアトピーの特徴。

 

ステロイドは免疫システムを抑える働きを持つことから、アトピーにもステロイド外用剤は適しています。キンダベートは顔などの皮膚の薄い部位にも使用できることから、全身に使用が可能です。

ただし、これだけは覚えておいてください。

「ステロイドでアトピーが治るわけではない」ということ。

アトピーステロイドは、あくまでも皮膚の表面の症状を抑える対処療法薬です。使用方法で紹介しましたが、表面が治ったからといって、勝手に使用を止めるとリバウンドして爆発的な症状に悩まされることになります。これがアトピーのように全身に症状がある人が、使い方を間違えるととんでもないことになるのは想像ができます。








人は病気に対し、抵抗力、免疫力、回復力、自然治癒力などと呼ばれる力を持っています。ステロイドの作用は、この免疫力を抑えてしまうんですよね。なんて矛盾した話だと単純に思えてしまいますが、実際にアトピーで苦しんでいる人たちは、一刻も早くその症状のストレスから逃れたいというのが本音です。アトピーじゃない人にはわからない…というのも本音だと思います。

 

アトピーとキンダベート軟膏の関係は、患者さんの症状によって処方されるものであり、もっと強いものや弱いものへと使い分ける必要があります。これはあくまでも皮膚の表面の話で、アトピーに関しては体の中の環境も改善する必要があることがよく言われています。
 

例えば、

・腸内環境を整える

・自律神経を整える

・代謝を良くする

など、健康にはかかせないものばかりです。

 

免疫力を上げる一説に「アトピーの原因は免疫にある」と言われるほど、アトピーと免疫の関係は密接です。

免疫力をアップするために、健康な人がすすんでやっていることはないですか?

これは何のためにやっていますか?

例えばきれいになりたい、健康になりたい、ストレスに負けたくないなどたくさんの理由があります。

免疫力が高まるということは、回復力も高まるということです。アトピーだって「回復する」という力に関係なくはありません。アトピーの患者さんが免疫力をアップしてはいけないのでしょうか。

 

こうした見解から、ステロイドを止めましょう!という事では無く、ステロイドだけに頼り、表面だけきれいにしようという発想をなくしましょうということです。長期にわたり使用することによって起こる、副作用やリバウンドを考えるとわかりますよね。

 

症状に応じて、ステロイド外用剤の使用と回復力を高めるという行為を同時に行っても良いのではないでしょうか。