ステロイド外用剤全般に言えることですが、目のまわりには基本的には使用してはいけません。

しかし重度のものもらい(霰粒腫や麦粒腫)の場合、まぶたが異常に腫れあがり痛みを伴った症状が出るため、ステロイド剤の点眼や軟膏で治療をすることがあります。

点眼剤はおそらく弱いステロイドで、軟膏のほうは少し強めだと思われます。

この場合、目に大量に入らないよう注意しなければなりません。

長期にわたりステロイドを使用し、結果的に大量に吸収することによる副作用の中に、ごくまれですが「緑内障」や「白内障」などを引き起こすとあります。最悪は失明するとまで恐れる人も中にはいますが、実際にそうなった患者さんがいるとしても、それは限界を越えた使用量であったと考えられます。医師の指示の下で使用する場合、きちんと守ってさえいればこのようなことは起こらないでしょう。

 

「ステロイドの役割は炎症を鎮めるだけの対症療法であり、病気が治るものではありません!」でしたよね。これを踏まえた上で使用するのですが、目のまわりには使用しない、もしくは目に大量に入らないよう注意する以外にも、注意点はあります。








例えば、使用感としてあまりにも良く効くと感じて、ヒゲソリの後や化粧の下地代わりにするのはやめましょう。

ステロイド外用剤の知識のある人は、「化粧の下地にするわけないでしょ!」と言いたくなる気持ちは分かりますが、医師から十分な説明を受けていなかったからか、実際に下地にしていて症状が悪化した人を知っています。

 

他には、ステロイドを用いてはいけない、禁忌(タブー)とされる皮膚疾患があります。

細菌、ウイルス、真菌(カビ)などの原因で起こる皮膚の感染症には、ステロイドを使用することはありません。特にタブーとされているのは、水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹、皮膚結核、梅毒性皮膚疾患、単純疱疹(顔面ヘルペス、唇、性器ヘルペス、カポジ水稲様発疹症)などです。細菌などは抗生物質により抑えるものです。炎症を抑えるだけのステロイドが無意味なのは、お分かり頂けるでしょう。

切り傷、ただれたやけど、皮膚潰瘍のように皮膚が剥がれているような症状にも向いてはいません。症状の悪化や治りを遅くするからです。

 

皮膚疾患の治療において、ステロイドに対する不安感をお持ちならそれに越したことはありません。それほど安易な考えで使用できるものでは無いという事をよく知った上で、医師の指示に従い治療に向き合う姿勢が大事だからです。

ステロイドを使ってはいけないのではなく、不安感をしっかり取り除くことの出来るような説明をしてもらうとよいでしょう。上手につきあえば、とても優れた薬であることは間違いないと思われます。