エキザルベ軟膏は、アトピー性皮膚炎など皮膚の治療に使われる、外用薬(塗り薬)です。
日本では1962年から製造販売されており、半世紀以上、医療の現場でたくさんの患者さんのために役立ってきました。製造販売は、大阪市北区に本社を置く、マルホ株式会社。皮膚科で使われるお薬としては最も有名な「ヒルドイト」を始めとする皮膚疾患のためのお薬や基礎化粧品などを作っている、歴史のある製薬会社です。エキザルベに関してはドイツ・ベルリンに本社のあるドクトル・カーデ製薬会社と提携し、製造販売を行っています。ちなみに、「エキザルベ」という製品名は、ドイツ語の Ekzem( 湿疹 )と Salbe( 軟膏 )を組み合わせた造語です。
どんなお薬なの?
エキザルベ軟膏はヒドロコルチゾンと混合死菌浮遊液を主成分とするステロイド軟膏の一種。ヒドロコルチゾンが炎症を抑え、混合死菌浮遊液が細菌感染を防ぎ、細菌に対する抵抗力を高めてくれます。
ステロイド外用薬の中では最も作用が弱く副作用も弱いⅤ群に分類されます。医療機関専用のお薬なので、一般には市販されていません。湿疹、皮膚の炎症、アトピー性皮膚炎、膿皮症など、皮膚の疾患に対して処方されます。赤ちゃんのおむつかぶれや、あせも、軽いやけどなどに対して処方されることもあります。
使ってはいけない場合も
エキザルベはどんな湿疹にも使えるわけではありません。ポツポツ、ブツブツとできた疱疹や水疱、痘疹には使えません。カンジダ症や白癬などの真菌症、ひどい潰瘍やひどいやけど・凍傷にも使用禁止です。間違って使うと症状を余計にひどくしてしまうことも。また、以前にエキザルベを使ったときに過敏症が出てしまった方も使用することができません。
使い方
チューブからごく少量を清潔な指(綿棒でもOK)に取って塗ります。患部に直接塗ってもいいですし、滅菌ガーゼに伸ばして患部に貼り付けるという方法もあります。使用は1日に1~3回。一度に大量に使ったり、長期間に渡って継続して使ったりすることは避けましょう。
使用上の注意
エキザルベは医療用医薬品ですから、使用上の注意をよく読んで使いましょう。顔、特にまぶたなど目の周りには使わないこと。眼圧が高くなり、緑内障を起こす危険性があります。また、ごくまれに発疹、発赤、湿潤と言った副作用が出ることがあります。こういったときは使用を中止して、ドクターに相談しましょう。