痔の治療薬で人気のボラギノールのラインナップの中でも、坐剤・軟膏・注入軟膏と3つのタイプが揃ったボラギノールAシリーズ。ステロイド性抗炎症成分が、すぐれた効果を発揮する外用薬です。その特徴や効果のしくみ、配合成分、3タイプのそれぞれの使用方法などをご紹介します。

ボラギノールAシリーズの特徴①
ステロイド配合

ボラギノールAシリーズの大きな特徴は、ステロイド性抗炎症成分である「プレドニゾロン酢酸エステル」を含んでいる点です。
ステロイドは、「副腎皮質ホルモン」とも呼ばれ、人の副腎皮質という臓器でつくられるごく微量のホルモン。
炎症の抑制や、免疫機能を正常に保つために欠かすことのできない大切な存在と言えます。その副腎皮質ホルモンを人工的に作り、薬剤に配合したものが、ボラギノールAシリーズのようにステロイド配合と呼ばれる外用薬です。
「プレドニゾロン酢酸エステル」は、ほかの痔疾薬や外皮用薬にも広く配合されています。なお、坐剤・注入軟膏には1回使用分につき1mgが、また、軟膏には1g中0.5mgが含まれています。

<ステロイドについて>

ステロイド配合の薬剤は、「すぐれた効果が期待できる反面、副作用が強い」と認識している人が多く、使用をためらう人もいますが、それは、あくまで使用方法を誤ったまま使い続けた場合。
長期にわたり用すると、皮膚が薄くなり皮膚萎縮を起こしたり、化膿している部分に使用すると悪化したりするおそれがあるのは事実です。
しかし、正しく使用することで、痔の炎症にすぐれた効果が期待できます。製品に添付されている文書を読み、用量・用法をしっかりと守ることが大切です。
効果が得られたらその時点で使用をやめる、また、10日間ほど使用しても症状の変化が見られない場合には、使用を中止し、専門医を受診しましょう。

ボラギノールAシリーズの特徴②
4つの配合成分が作用

ボラギノールA
ボラギノールAシリーズは、以下の4つの成分の働きにより、痔の痛みや腫れ、出血やかゆみなどに効果を発揮します。

・プレドニゾロン酢酸エステル…炎症を抑制し、炎症による出血や腫れ、かゆみを緩和(抗炎症作用)
・リドカイン…患部の痛みやかゆみを緩和(鎮痛・鎮痒作用)
・アラントイン…皮膚や粘膜の創傷部分の組織を修復し、傷の治りを促進(組織修復作用)
・ビタミンE酢酸エステル…毛細血管の循環をよくし、うっ血を緩和(血液循環改善作用)

リドカイン、アラントイン、ビタミンE酢酸エステルが配合されている点は、ボラギノールMシリーズと同様となっていますが、ステロイド性抗炎症剤である「プレドニゾロン酢酸エステル」配合により、ボラギノールMシリーズに比べて炎症を抑える作用が比較的強く、腫れや痛み、出血などの痔の症状の度合いが強い場合に適していると言えるでしょう。










ボラギノールAシリーズの特徴③
症状にあわせて選べる3つのタイプ

ボラギノールAシリーズには、下記の3つの製品ラインナップがあります。症状によって使い分けることが可能です。

ボラギノールA坐剤

肛門に挿入する坐剤タイプは、体温によって肛門内で溶け、すみやかに成分が拡がります。肛門の内側にできた痔に効果的です。

ボラギノールA軟膏

肛門や肛門付近に直接塗布する軟膏タイプは、肛門の外側にできた外痔核や裂肛に効果的です。

ボラギノールA注入軟膏

ノズル部分を肛門に挿入し内部に注入できるため、手を汚さずに肛門内部の患部に薬剤を届けることができます。また、肛門の外側に塗布して使うこともできるため、肛門の内側からも外側からもケアしたい場合に効果的です。また、小さな個包装になっているため、旅行や外出先への携帯にも便利です。

ボラギノールの効果・副作用