「痔」のイメージをより明るい印象にすることに貢献していると言っても過言ではないボラギノールの存在。テレビCMにもその想いがあらわれています。みんなの記憶に残った印象的な静止画CMの秘話や、いま、痔の薬を化粧品として使う人が増えていることなど、ボラギノールにまつわる「?」な部分をさぐってみましょう。

ボラギノールの静止画CMはなぜ静止画?!

ボラギノールのCMというと、「痔にはボラギノ~ル!」のフレーズが浮かぶ人が多いでしょう。そしてもうひとつ、テレビCMでありながら、静止画にセリフという他にない手法で、印象深いCMをお茶の間に送り出したことも忘れてはいけません。2004年頃からはじまった静止画CMは、いくつものシリーズがあり、どれも明るくおもしろい構成でした。「女子大生編」や「遊園地編」、「ジョギング編」など、現在でもYouTubeなどの動画サイトでみることができます。なぜ、静止画になったのか?という点もまた、世間の多くの人の関心を誘いました。その関心こそが、CMとしては大成功とも言えそうですね。

製作費を減らしているため?などと話題にもなりました。静止画になった理由は、意外性を狙ったことはもちろん、「痔」が与えるイメージから「不快さ」を無くし、生々しさを感じさせないCMにするためだとか。その成果なのか、登場人物の大げさなまでにはればれとした笑顔の表情は、静止画だからこそ表現できたものと言えそうですね。痔に苦しむ人には、あの笑顔が救いのように感じたのではないでしょうか。一連のCMの写真を撮影したのは、フォトグラファーのサト・ノリユキ氏。

氏のウェブサイト「SATOFOTO」の中で、CMに使われた写真をみることができます。CMがお茶の間に知られるようになって以来、静止画の連写のことを「ボラギノールのCMっぽい感じ」と表現することで通じる人が多くなったほど、多くの人に圧倒的な印象を残しました。










ボラギノールが顔のしわにいいってほんと?


痔の薬を美容に?!いま、インターネットやSNSを通して、痔の薬で「目元のしわや口元のほうれい線が消える!」「顔が引き締まって小顔になる!」「ハリウッドセレブもご愛用!」などといった情報が飛び交っているのをご存知の方も多いのでは?ヘタな美容液よりよっぽど効果的!とまで謳われ、テレビ番組でも取り上げられたことで一般消費者にも愛用者が増えているとか。

その理由を、『痔の薬には、腫れを抑えたり、組織を修復したりする作用があるから』として、ボラギノールAの注入軟膏や軟膏タイプが例として紹介されています。確かに、それだけ聞くと、肌をキレイにしてくれそうな期待が膨らみますね。しかし、このような無責任な情報の拡散に警鐘を鳴らす専門家も多く、注意喚起が必要と言えます。なぜなら、医薬品は化粧品ではないからです。特にボラギノールAシリーズには、抗炎症成分であるステロイドが含まれています。ステロイドには血管の収縮作用があり、一時的にたるみやしわに効いているように感じる場合があるかもしれません。しかし、何も炎症がおきていない部位に化粧品として日常使いするものではないということをしっかり理解する必要があります。

美容液として毎日のように使い続けると、皮膚が薄くなり赤みを帯びる、皮膚萎縮が起こるなど、ステロイド特有の副作用が現れかねません。特に、目の周りにステロイドを使用することは、緑内障につながるおそれがあり、大変危険とされているのです。ボラギノールに含まれるステロイド「プレドニゾロン酢酸エステル」は、ステロイドの強度の中でも弱いカテゴリーに属するものなので、数度の使用ですぐに副作用が現れることはないと考えられますが、痔以外の用途で使用することは絶対にやめるようにしましょう。情報に惑わされることなく正しい認識をもつことが大切です。